Friday, July 28, 2006




ずっしりと厚く重い扉に

頑丈な鍵がかけられていた。

ほんの少しの隙間もない。




扉の向こうには

祝福に満ちた日の光が

さんさんと降り注いでいる。


そうわかっているのに

開けようとはしなかった。


扉の内側の

無彩色の世界が好きだと思っていた。

ひんやりとした空気が好きだと思っていた。




何を恐れていたのだろう?


きっと


自身への愛

自身への信頼

自身の幸福


それらを手にすることは

許されないことだと思っていた。


誰にでも与えられている権利なのに

自ら放棄していた。








ゆっくりと扉を開く。


日の光のあたたかさを全身に浴びながら。


その輝かしいほどのまぶしさに

喜びの眩暈すら感じながら。






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